スイカは夏の定番果物として家庭菜園でも人気ですが、収穫のタイミングが難しく悩んでいる方も多いのではないでしょうか。適切なタイミングで収穫できないと甘さや味わいが半減してしまいますから、一番美味しい時期に収穫したいですよね。
この記事では、巻きひげの状態や音、積算温度などの指標を使ってスイカのベストな収穫時期を見極めるためのポイントや、収穫後の管理方法について詳しく解説します。また、早めに収穫してしまった時の対応や、追熟が出来るかどうかについても解説します。この記事で紹介する内容を参考にして、最高のスイカを収穫しましょう!
収穫時期のタイミング、目安
目安 | タイミング/状態 | 詳細 |
---|---|---|
着果後の日数 | 大玉スイカ:約45日〜50日 小玉スイカ:約40日前後 | |
積算温度 | 約1,000〜1,100℃ | 気温が高いとより早めに熟しやすい |
巻きひげの枯れ具合 | 全体がしっかり枯れる | 果実に近い巻きひげが枯れると成熟のサイン |
へその状態 | 5円玉くらいの大きさになる | 成長とともに大きくなる |
叩いたときの音 | 低音でボンボンと響くと成熟のサイン | 未熟だとポンポンと高い音がする |
着果後の日数
スイカの品種によって着果から収穫までの日数は異なりますが、一般的に大玉スイカは約45日から50日、小玉スイカは40日程度です。成長日数を目安にしつつ、実際の様子も観察することが重要です。特に、地域や気候によって成長速度が変わるため、実際に育てたスイカの状況を常に確認しておきましょう。特に夏場で高温の環境が続くと、成熟が進んで早めに収穫できることも多いので注意してください。
また、着果日数を確認するために受粉した日付を記録しておくのも忘れないようにしましょう。受粉日を記録することで正確な成長日数を把握できるため、かならずチェックしておくようにしましょう。
積算温度
スイカの成長には、一定の温度が必要です。積算温度は、日々の気温を合計していく指標で、スイカの場合は約1000-1100度が収穫の目安とされています。著しい高温が続く場合などはこの限りでないこともありますが、収穫時期を予想できる簡単な指標の一つですのでしっかりチェックしておきましょう。
積算温度を確かめる上で欠かせないのが、着果した日を記録しておくことです。着果日が分からないと正確な積算温度が算出できないため、かならず受粉した日を記録しておきましょう。地域の気温や天候データを参考にして、積算温度を計算し、収穫のタイミングを見極めましょう。
自分で計算するのが難しい方は、積算温度算出プログラムを利用すると便利です。是非参考にしてみてください。
巻きひげの枯れ具合
スイカの蔓には巻きひげがあります。果実に一番近い巻きひげはスイカの熟し具合と密接に関係しており、この巻きひげがしっかり枯れてくると収穫のサインです。他の指標よりも見た目で判断がしやすいため、収穫時期が近づいてきたらしっかりと巻きひげの状態をチェックして収穫時期を逃さないようにしましょう。
へその状態
スイカのへそ(果実のツルの付着部の反対側部分)は果実の成長とともに大きくなっていきます。5円玉くらいの大きさになってくると、収穫の適期です。へその大きさだけで収穫を判断することはあまりないですが、参考になるものの一つですので他の収穫サインと併せてチェックしておくようにしましょう。
叩いたときの音
スイカを軽く叩いたときに聞こえる音も、成熟度を判断する指標になります。成熟したスイカは低音で「ボンボン」と響きますが、未熟なものは高音で「ポンポン」と鳴ります。この音の違いを覚えておくと、収穫時期を見極める際に役立ちます。
この音の違いを判断するにはかなりの経験が必要です。ベテランのスイカ農家でも無い限りは音の高低だけで収穫を判断するのは非常に難しいため、他のサインと併せて収穫時期を判断するようにしましょう。
成熟度による音の違いは、こちらの動画が非常に参考になります。
収穫前に甘くするためのコツ
家庭菜園でスイカを育ててもなかなか甘くならないと悩んでいませんか?収穫前に一手間加えるだけでも甘さがぐっと増しますよ。
ポイントは収穫前の果実の肥大期に十分なリンを含む追肥を与えておくことと、収穫前の数日~1週間程度は水やりを控えることです。果実に十分な栄養が送られると同時に、収穫前に水分を制限することで糖度が上がってとても美味しいスイカが収穫でききますよ。
収穫後の日持ち、追熟
収穫後はどれくらい日持ちする?
収穫したスイカは、常温で約1週間程度は日持ちします。ただし、温度や湿度によっても異なるため、なるべく涼しい場所で保管するようにしましょう。スイカは高温多湿に弱いため、直射日光を避けた湿気のない場所での保管が望ましいです。
収穫が早すぎた!何かに使える?
もし収穫時期を誤って早すぎたスイカができた場合、サラダやスムージーに利用することができます。スイカが少し硬くても、スムージーにすることで食べやすくなります。特に、早めに収穫したスイカは少し苦味があるかもしれませんが、他のフルーツや甘味を加えることで美味しさを引き出すことができます。
食味が好みで無い場合は、スイカ割りに使用するのもおすすめ。割ったあとは畑の堆肥などにして活用しましょう。
収穫後に追熟はできる?
スイカは一般的に追熟しないと言われています。収穫後に少し室温に置いておくことで、多少味が改善されることもありますが、完熟した状態で収穫することが基本です。追熟の効果は限られているため、なるべく成熟した状態で収穫を心がけましょう。
【画像あり】実際の収穫例
大玉スイカ 金色羅王
金色羅王は、家庭菜園で非常に人気のある大玉スイカで、黄色スイカの品種です。
こちらは着果後48日程度、積算温度は1150℃程度での状態です。
果実はしっかり成長しており、問題はなさそうですね。
果実の近くにある巻きひげもしっかりと枯れており収穫時期のサインも問題なさそうです。
こちらの果実を収穫し、熟し具合を確認してみます。
しっかりと熟しており食べ頃でした!
複数の収穫サインが出ていることを確認して収穫すると、食べ頃を逃さずに収穫することができますよ。
小玉スイカ
小玉スイカの収穫例も見てみましょう。
こちらはオレンジ品種の小玉スイカです。
順調にそだっているようです。
こちらは自然受粉したため正確な着果日数は不明でしたが、着果を確認してから40日程度経過していました。
ツルはしっかり枯れており収穫時期のようです。
果実をたたいてみるとポンポンと少し高めの音がしますが、未熟なスイカの弾むような高音ではありません。
ツルの枯れ具合や日数から判断しても、全く熟していないということはなさそうです。
収穫してみます。形も丸くてきれいですね。
中身を確認してみましょう。
完熟でした!種もしっかり黒くなっていて熟している証拠です。
非常に甘くて食感も良く、ちょうど食べ頃で収穫することができました。
まとめ
以下にこの記事のポイントをまとめます。
- ベストな時期に収穫するには、スイカの受粉日を記録しておくことが大切
- 大玉スイカは約45日から50日、小玉スイカは40日程度で収穫時期
- 積算温度は1000-1100℃が収穫の目安
- スイカのヘソは5円玉くらいの大きさが収穫の目安
- 果実に近い巻きひげが完全に枯れた頃にスイカが完熟していることが多い
- スイカを叩いた音が低音になってくると収穫のサイン
- 早く収穫してしまうと追熟は難しいため、完熟のサインを見極めて収穫する
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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