「スナップエンドウを育ててみたけれど、発芽しない…」「葉が茂りすぎて病気になった!」そんな経験をしたことはありませんか?スナップエンドウは初心者でも育てやすい野菜ですが、適切な管理をしないと失敗してしまうことも。
本記事では、スナップエンドウの栽培スケジュールや発芽率を上げる方法、害虫・病気の予防策など、初心者でも失敗しないコツを詳しく解説します。
また、冬越し栽培で収穫量を増やす方法や、プランター栽培のコツ、剪定・間引きの重要性についても紹介。この記事を読んで、家庭菜園でスナップエンドウを元気に育てるためのポイントをしっかり押さえましょう。
スナップエンドウとは?

スナップエンドウ(Snap Pea)は、エンドウ豆の一種で、さやごと食べられるのが特徴の野菜です。シャキシャキした食感とほんのりした甘みがあり、春から初夏にかけて旬を迎えます。家庭菜園でも非常に人気の野菜です。
スナップエンドウの特徴
項目 | 内容 |
---|---|
分類 | マメ科エンドウ属 |
原産地 | 地中海沿岸 |
見た目 | 丸みを帯びた厚めのさやの中に豆が詰まっている |
味 | 甘みが強く、さやごと食べられるため食感が良い |
旬 | 春(3月~6月)が最も美味しい時期 |
ビタミンC、ビタミンB群、βカロテン、食物繊維を豊富に含み、特にビタミンCが豊富で、100gあたり60mg(レモンの約半分)が含まれています。
よくグリーンピースと混同されますが、全く異なる品種です。
特徴 | スナップエンドウ | グリーンピース |
---|---|---|
さやの食べ方 | さやごと食べる | さやは食べずに豆だけ |
食感 | シャキシャキ | ホクホク |
味 | 甘みが強い | やや青臭い |
収穫時期 | 4~6月 | 5~6月 |
スナップエンドウの栽培カレンダー

栽培工程 | 時期(目安) |
---|---|
播種(種まき) | 10月〜11月 |
発芽 | 播種後5〜10日 |
支柱立て・誘引 | 2月〜3月 |
追肥・土寄せ | 2月〜3月 |
収穫開始 | 4月〜5月 |
栽培カレンダー(春まき・秋まきの違い)
- 春まき(2〜4月):比較的簡単で初心者向け
- 秋まき(10-11月):冬越しすることで収穫量が増える
- 気温が10℃以上の時期に種まきすることがポイント
スナップエンドウは春まき(2〜4月)と秋まき(9〜10月)の2種類の栽培方法があります。秋まきの場合、冬越し栽培をすることで収穫量を増やせるのが特徴です。
スナップエンドウの種まき時期と発芽適温

- 発芽適温は18〜20℃程度
- 10月下旬〜11月上旬に種をまくのが適期
- 気温が下がると発芽が遅れるため、早めの播種がおすすめ
種まきが遅いと気温が発芽適温を下回ってしまい、なかなか発芽しなくなってしまいます。逆に速すぎても、株が成長しすぎて冬越しが難しくなるため注意しましょう。時期を逃してしまった場合は、不織布のベタがけで保温してあげると発芽率が高まります。
栽培場所の選び方

- 日当たりの良い場所が理想
- 風通しの良い環境で育てると病気を防ぎやすい
- プランター栽培も可能(深めのプランターを選ぶ)
スナップエンドウは連作障害が出やすいため、同じ場所で続けて育てないようにすることが大切です。初めて栽培する場合は、肥沃な土を準備し、無農薬栽培なら木酢液を使用するのもおすすめです。
土づくりのポイント

- 水はけの良い弱アルカリ性の土壌が適している
- 堆肥や腐葉土を混ぜて土壌改良をすると成長が良くなる
- 連作障害を防ぐため、3年以上マメ科を育てていない場所を選ぶ
水やりのコツ

- 発芽するまでは水やりを控える
- 生育期は土の表面が乾いたらたっぷりと
- 冬場は控えめにし、春になったら水を増やす
種まき後に十分に水やりをしたら、発芽するまでは水やりをしないのがポイント。過湿で種が腐ってしまい、発芽しなくなってしまいます。
生育期にはたっぷりと散水しますが、冬越しの間は控えめにして過湿を避けるようにしましょう。
肥料・追肥の方法

- 元肥:植え付け前に緩効性肥料を混ぜる
- 追肥:成長期(2月頃)に1回、収穫期(3月頃)に1回
- 過剰な肥料は葉ばかり茂り、収穫量が減るので注意
スナップエンドウはマメ科の植物であり、根粒菌の影響で根から窒素分を供給することができます。窒素分の多い肥料を与えると葉ばかり茂ってしまい、収穫量が減ってしまうことも。リン、カリなどを豊富に含む肥料を選びましょう。
支柱の立て方と誘引のコツ

- 支柱は根から10cmほどの位置に立てる
- 差し込む深さは30cmほどでしっかり固定する
- 誘引は園芸用ネットと、麻紐や誘引用のピンチが便利
- 寒冷紗や不織布を巻くと防寒対策にもなる
支柱を適切に設置できないと、強風で株ごと倒れてしまったり、誘引が上手くいかず成長しない原因にもなります。ポイントを押さえて支柱立て、誘引を行いましょう。
摘心のタイミングと方法
- 摘心は孫づるが伸びてきたタイミングで行う
- 1番花が咲いたら摘心することで、分枝が増え収穫量がUP
スナップエンドウの冬越し対策

秋まき(10~11月) の場合は、冬の低温を乗り越えることで春にしっかり成長し、甘みの強いスナップエンドウを収穫できます。
- 氷点下でも枯れることは少ないが、寒冷紗や不織布で防寒すると良い
- 冬の間は追肥や水やりを控えめにする
- 越冬後の2月〜3月に追肥を行うと成長が促進される
- 草丈が10~15cm程度で冬を迎えるのが理想。成長が遅いと春の生育が遅れるが、成長しすぎると霜でダメージを受けやすい。
- 根元にワラ・腐葉土・敷き藁を敷くことで、地温を保ち霜の被害を軽減する
秋まきで栽培すると冬の間に根をしっかり張り、春に生育が促進されます。しかし種まきが早すぎると、 草丈が大きくなりすぎて寒さに弱くなるため注意が必要です。
スナップエンドウの収穫方法

スナップエンドウの収穫時期は 4月~が中心です。収穫の適期を逃すと豆が固くなり、さやのシャキシャキ感が失われるので、適切なタイミングで収穫しましょう。
収穫のポイント
- さやがふっくらしたら収穫
- 収穫適期は、さやがぷっくりと膨らんだタイミングです。
- さやの中の豆が大きくなりすぎると食感が硬くなるため、若いうちに収穫するのがベスト。
- 朝の涼しい時間に収穫
- 水分がしっかり残っている朝の時間帯に収穫すると、鮮度が保ちやすい。
- ハサミを使って収穫
- 手で無理に引っ張るとツルが傷むため、ハサミで茎を切るのがベスト。
- 収穫後は、すぐに冷蔵保存すると鮮度が保たれる。
- こまめに収穫する
- 収穫せずに放置すると株が疲れてしまい、新しい花や実がつきにくくなるので、こまめに収穫するのがポイント。
スナップエンドウの病害虫と対策
代表的な病気
- うどんこ病:葉に白いカビが発生
- モザイク病:葉が縮れたり色が変わる
- 褐斑病・褐紋病:葉に茶色の斑点が出る
- さび病:葉が赤茶色に変色
特にうどんこ病はスナップエンドウに必ずといって良いほど発生する病気です。重曹水を散布することで、病原菌の繁殖を防いだり、病気になった葉を早めに取り除いて被害が広がるのを防ぎましょう。
代表的な害虫
- アブラムシ:ウイルス病を媒介するため要注意
- ハモグリバエ:葉の中に潜って食害
- ヨトウムシ:夜間に葉や茎を食害
害虫被害については、こちらの記事で詳しく解説しています。
よくあるトラブル
うまく発芽しない
スナップエンドウの種は発芽温度が10〜25℃と幅広いですが、特に寒冷地では発芽しづらいことがあります。不織布などで保温して発芽を促しましょう。
また、種まき後に水やりを頻繁に行うと、種が腐ってしまい発芽しないことがあります。播種後に十分に散水したら、その後は発芽するまで水やりは控えるようにしましょう。
それでも発芽が難しい場合には、種を一晩水につけてから植え付けてみてください。発芽率がぐっと上がりますよ。
つるが絡まない!
スナップエンドウはつる性の植物ですが、意外に支柱やネットに絡みづらく、上手く伸びてくれないことがあります。ネットや誘引を上手くつかって成長を促しましょう。
- ネットを使用する:
- つるが絡まりやすいように、目が小さいネットを張る
- 高さ1.5m以上のネットを使用し、上方向に成長するよう誘引する
- 早めに誘引する:
- つるが伸び始めたら、麻紐やピンチでこまめにネットに誘導する
- 風で倒れないよう、支柱に麻ひもで軽く結ぶのも有効
花は咲くのに実がならない!
スナップエンドウの花が咲いても実がつかない原因として、受粉不足や肥料の過不足が考えられます。
対策
- 受粉を助ける:
- 風通しを良くして自然受粉を促す
- ミツバチなどの訪花昆虫が少ない場合、筆などで人工授粉をする
- 適切な肥料管理:
- 窒素肥料の過剰は避ける(葉ばかり茂り、実がつきにくくなる)
- リン酸・カリウムを多めに施す(花つきと実の成長を促進)
うどんこ病にかかった!
スナップエンドウは梅雨時や湿度が高い環境でウドンコ病が発生しやすくなります。これは葉が密集しすぎると風通しが悪くなり、カビが繁殖するためです。
対策
- 適度に間引きと剪定を行う:
- つるが混み合っている部分はハサミでカットし、風通しを良くする
- 病気が発生した葉は早めに取り除く
- 予防策として、葉面散布を行う:
- 重曹水(1Lの水に小さじ1杯の重曹)を散布することで、病原菌の繁殖を防ぐ
1株あたりの収穫量はどれくらい?
1株から30〜40さや程度収穫できるのが平均です。一般的に冬越しをした株のほうが収穫量は多くなると言われており、たくさん収穫したい場合は秋まきで栽培するのが良いでしょう。
まとめ
スナップエンドウは、比較的育てやすく収穫量も多い野菜です。特に支柱立てや摘心を適切に行うことで、収穫量を増やすことができます。また、病害虫対策をしっかり行い、冬の寒さ対策をすれば、家庭菜園でも安定した収穫が可能です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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