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寒起こしのやり方と最適な時期は?米ぬかも使って冬に効果的な土作りを!

家庭菜園
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今年の家庭菜園や畑作業で、「病害虫が多くて困った」「土が固くて植物が元気に育たない」といった悩みを感じたことはありませんか?作物がうまく育たない原因は土壌環境かもしれません。冬の寒さを利用した「寒起こし」という作業を行うことで、土壌環境を改善できる可能性があります。

寒起こしは厳寒期に土を掘り返して冷気に当てることで、害虫や雑草を駆除しつつ、ふかふかで作物の育ちのよい土壌を作る方法です。この時期しか行えない土壌改善の方法であり、春に向けて植物が育ちやすい環境を整える絶好のチャンスです。

この記事では寒起こしが土壌改善につながるメカニズムや、作物を育てる上での様々なメリット、さらに初心者でも実践しやすい寒起こしの手順を詳しくご紹介します。今年の悩みを来年に持ち越さないため、寒起こしをぜひ試してみてください!

寒起こしとは

冬場の低温を利用して土壌改善しよう

寒起こしとは、厳寒期の寒さを活かして畑や庭の土を冷気に当てる、低温を利用した土壌の改善・消毒作業のことです。寒ざらしとも言われます。冷気に当てることで土壌内の害虫や病原菌を減らし、病害虫被害を減らすことができます。

また、土を掘り返して冷気に当てることで、通気性や保水性に優れた土になり、春に向けて植物が育ちやすい環境を作ることもできます。

気温を利用する方法のため、農薬を使わず、コストもかからず、簡単に病害虫対策を行いつつふかふかの土壌を作ることもできる点が大きな魅力です。

低温を利用するため冬場にしか行えません。土壌改善の貴重なチャンスですので、作付けしていない場所や畑の空きスペースがある場合は積極的に取り入れたいですね。


寒起こしのメリットは?

寒起こしには、以下のように多くの利点があります。

  • 水はけが良くなる:団粒構造ができることで排水性が良くなり、根腐れを防げる。
  • 通気性が向上:土の中に隙間ができることで、植物の根が酸素を吸収しやすくなる。
  • 保水性が上がる:土の隙間による適度な保水性で乾燥しにくくなる。
  • 団粒化で土がふかふかに:柔らかく植物が生育しやすい土壌になる。
  • 害虫や病原菌を減らす
     寒さに弱い害虫やその卵、サナギを冷気で駆除することができる。特に野菜作りで問題となるダイコンハムシやヨトウムシなどの対策に効果的です。また、病原菌を減少させる効果もあります。
  • 雑草の抑制
     掘り返すことで雑草の根や種が冷気に当たりダメージを受けるため、翌年の雑草防除になります。特に除草剤を使わずに雑草を減らしたい方に非常におすすめです。
  • 土の栄養価アップ
     土壌中の微生物が空気を取り込むことで活性化し、有機物が分解されて植物の養分になります。
  • コストがかからない
    ほぼ無料で,効果的な土壌改善ができます。
  • 農薬を使わない
    農薬を使わず、病害虫や雑草対策、土壌改善を同時に行うことができます。

寒起こしで土がふかふかに

寒起こしを行うことで土がふかふかになり、作物の成育に適した土壌を作ることができます。これには土の中に含まれる水分が大きく関係しています。

掘り返した土が明け方の最も気温が下がる時間帯に冷気に当たると、水分が凍って膨張します。これにより土の中の隙間が広がりまが、日中に気温が上昇すると氷は溶けて水に戻ります。

これを繰り返すことで徐々に土の中の隙間が広がっていき、土の粒と粒の間に適度な空間ができてスポンジのようなふかふかの状態になっていきます。これが硬い土がふかふかに変化していくメカニズムです。

このように土の粒と粒の間に適度な隙間のあるスポンジのような構造を「団粒構造」といい、作物が育つのに非常に適した状態と言われています。

他の時期だとクワやスコップで土壌を細かく耕さなければなりませんが、厳寒期の寒さを利用することで土の塊をほぐさなくてもふかふかの土を作ることができるのです。


寒起こしで害虫や線虫退治

土の中には様々な種類の害虫やサナギが冬眠しています。寒起こしの大きな利点として、害虫や線虫の数を減らせることがあります

特に有効なのはヨトウムシ。ヨトウムシは幼虫やサナギが土の中で越冬し、春先の暖かい季節になると様々な作物を食害し大きな被害を与えます。土の中に茶色でつやつやしたサナギがあったらヨトウムシのサナギですので、必ず駆除するようにしましょう。

寒起こしをすることでこれらを駆除することができ、春以降のヨトウムシ被害の状態が大きく変わってきます。今年の栽培でヨトウムシ被害が多かった方は是非行ってみましょう。畑全体に行えなくても、一部だけ行うだけでも効果はあります。

また、センチュウも寒さに弱いため、寒起こしをすることで活動を抑えられます。農薬を使わずに簡単に対策ができるため、被害が多かった場所では実施しておきましょう。


寒起こしのやり方

寒起こしの最適な時期は?

寒起こしに適しているのは、最も気温が下がり地面が凍る時期(12月から2月頃)です。

具体的には、寒冷地では12月ころ、関東以西では1月初旬~中旬ころに行うのがよいでしょう。

寒起こし後は一ヶ月ほど冷気に当てることで十分な効果が出てくるため、時期が遅すぎると効果が薄れたり春の作業と重なってしまう可能性があります。天候や気温を確認し、計画的に行うようにしましょう。


どんな場所を寒起こしするとよい?

  • 閑散地
    作付けをしていない場所は徐々に土が硬くなっていきます。寒起こしをして土壌の状態を良好に維持しましょう。
  • 土の硬い場所
    春までに土壌改善がすすみ、ふかふかの土になります。
  • 病害の発生した場所
    病原菌の減少が期待できるため、翌年の栽培で病害が少なくなります。
  • 雑草の茂っている場所
    冷気により雑草の根や種にダメージを与えて、翌年の雑草防除になります。
  • 害虫被害の多い場所
    土の中の害虫を駆除して、春以降の害虫被害を少なくすることができます。
  • センチュウ被害のあった場所
    センチュウの密度を下げて、被害を減らすことができます。

寒起こしのやり方

  1. 用意するもの
     鍬やスコップ、米ぬかを用意します。作業範囲が広い場合は、鍬の方が効率が良いです。
  2. 実施場所を決める
     必ず作物が植えてない場所、掘っても作物の根に影響のない場所で行うようにしましょう。栽培中の作物の近くで行うと、根にダメージを与えて枯れてしまうこともあります。
  3. 土を掘り起こす
     20cm以上、できれば30~40cmを目安に土を掘り返します。深い部分の土の塊を、浅い部分と入れ替えて地表にさらすようにしましょう。

    このとき、掘り起こした土を細かく砕く必要はありません。大きな塊のままにしておく方が、土がふかふかになります。掘り起こした塊はそのまま放置して大丈夫です。
    もし冬眠中の幼虫やサナギが出てきた場合は、必ず駆除しておきましょう
  4. 米ぬかを混ぜる
     掘り返した土に米ぬかを薄く撒き、軽く混ぜ込んでください。1㎡あたり1~2つかみ程度にしましょう。土を耕しすぎないように注意しましょう。

    米ぬかは土壌の微生物を活性化し、冬の間にゆっくりと養分に変わります。また、センチュウ被害などを減らす効果も期待できます。

  5. そのまま放置する
     掘り返した土をそのまま放置します。凍結と解凍を繰り返して徐々に土壌環境が改善するため、途中で何かする必要はありません
     1ヶ月程度で、水はけと通気性が良くなりふかふかの土になります。栽培予定に合わせて、堆肥を混ぜ込んだり畝作りを行いましょう。
     

空いているプランターも寒起こしを

畑だけでなく、家庭菜園で使ったプランターの土も冬の間がリセットするチャンスです。

余った土やプランターの中にも害虫の卵やサナギが潜んでいたり、栽培に伴って徐々に排水性や通気性が悪くなってきます。一度土をすべて取り出し、米ぬかを混ぜてから掘り返しておくと、春には再利用可能な栄養豊富な土になります。

1度掘り返したら放置するだけで翌年の栽培の準備ができるため、余っている土があれば是非やっておきましょう。


まとめ

寒起こしとは

 冬の寒さを利用して土を掘り返し、害虫や病原菌を減らす土壌改善方法。

 通気性や保水性が向上し、ふかふかの土を作れる。

 農薬を使わず、ほぼ無料でできる環境に優しい作業。

寒起こしのメリット

 土壌環境の改善:水はけ・通気性・保水性が良くなり、土が柔らかくなる。

 害虫・病原菌の駆除:寒さでヨトウムシやセンチュウを減らせる。

 雑草抑制:雑草の種や根が冷気でダメージを受ける。

寒起こしの最適時期

 冬の厳寒期(12月~2月)が適期。冷気が土壌に充分当たる期間を確保する。

寒起こしを行うべき場所

 作付けしていない場所や硬い土壌。

 病害虫や雑草が多い場所で特に効果的。

具体的な手順

 土を深さ20~40cm掘り返し、大きな塊のまま地表にさらす。

 米ぬかを1㎡あたり1~2つかみ撒いて軽く混ぜる。

 掘り返した土をそのまま1か月以上放置して凍結と解凍を繰り返させる。

最後までお読み頂き、有り難うございました。

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