家庭菜園や庭の手入れにおいて、雑草対策は避けて通ることができない重要な課題です。何度抜いても強い生命力ですぐに生えてくる雑草に対応するだけで時間も体力も使い果たしてしまう。いくら抜いても無限に生えてくる雑草の対策に困っていませんか?
雑草を放置すると作物や植物の成長を妨げる上に、害虫が発生する温床になったり美観を損ねることもあるため、早めに対策を講じる必要があります。
そんな時に便利なアイテムが防草シートです。特に、ダイソーやセリアなどの100均で手に入る防草シートは手軽でコストパフォーマンスが良く、簡単に導入できるためおすすめです。
しかし、「100均の防草シートで本当に効果があるの?」「シロアリや害虫が発生するって聞いたけど?」という疑問を持つ方もいるでしょう。
この記事では、ダイソーやセリアなどの100均で手に入る防草シートの効果や価格、品質、そして耐用年数について詳しく検証し、実際に使ってみた感想やおすすめの対策もご紹介します。シロアリが発生しやすい条件や、害虫対策も詳しく説明します。
ダイソー、セリアなど100均で防草シートの取り扱いあり
ダイソー、セリア、キャンドゥといった主要な100均では、さまざまな種類の防草シートが販売されています。
ダイソーでは、1m×2mや1m×5mといった手軽なサイズのシートが販売されています。セリアやキャンドゥでも、同じように小さなスペース向けの防草シートが販売されています。
100均の防草シートは庭や小さな畑、駐車場など、限られた面積の雑草対策に適していますが、複数枚使用することで大きな面積の場所にも対応可能です。一枚あたりの価格が安いため、必要な広さに合わせて気軽に購入できる点が大きな魅力ですね。
価格の比較
100均で販売されている防草シートと、ホームセンターやインターネットで購入できる一般的な防草シートの価格を比較するとどうでしょうか。
100均で購入できる防草シートは、基本的に1パック100円(税抜)であり、サイズはおおよそ1m×1.4mといった小さめのものが多いです。
これに対して、ホームセンターで販売されている防草シートは、5m×10mや2m×50mといった大きなサイズが中心で、サイズによりますが価格は数千円~一万数千円程度です。
参考までに、カインズホームの超高密度防草シート(1m×50m)の価格を調査したところ、15800円(税込み)でした。同様に大手ホームセンターのDCMの防草シート(雑草ガード)を調査したところ、こちらは1m×50mで4928円(税込み)でした。
一般的に大きな面積をカバーするシートは価格が高い傾向にありますが、長期的な使用を考えると逆にコストパフォーマンスが良いこともあります。使用面積、耐用年数も考慮して選ぶ必要がありそうです。
面積あたりの単価の比較
実際に、面積あたりの単価で比較してみましょう。ダイソーの防草シートは、1m×1.4mのシートが1枚100円(税抜)です。この場合、1平方メートルあたりの単価は71.4円となります。
一方、上で紹介したホームセンターなどで購入できる一般的な防草シートでは、1平方メートルあたりの単価は89.6~287円でした。
店舗 | 価格 | サイズ | 面積あたりの価格 |
---|---|---|---|
100均 | 110円 | 1m × 1.4m | 71.4円/m² |
カインズ | 15,980円 | 1m × 50m | 287円/m² |
DCM | 4,928円 | 1m × 50m | 89.6円/m² |
面積あたりの価格で比較すると100均の防草シートは圧倒的なコストパフォーマンスを誇っています。一枚一枚のサイズは小さいため複数枚用意する必要はありますが、価格を重要視する場合には選んでみてもよいかもしれません。
注意点として、複数枚で広い面積をカバーする場合には、それぞれ端を重ね合わせて隙間がないように設置しないと雑草予防の効果が十分に得られなくなっていまします。枚数分の単純な面積だけでなく、重なり部分の面積も考慮して購入するようにしましょう。
その他、限られたスペースや一時的な雑草対策を考える場合には、100均の防草シートが有用な選択肢になりそうですね。
100均でも品質は十分?耐用年数は?
次に、100均の防草シートの品質について見てみましょう。100均の防草シートは、基本的にポリエチレンやポリプロピレンなどの合成繊維でできており、一般的な防草シートと同じように雑草の成長を抑える効果があります。
しかし、100均の商品は薄手のものが多く、耐久性に関しては限界がありそうです。ホームセンターや専門店で販売されている高品質な防草シートは耐用年数が5年から10年程度と言われていますが、100均の防草シートは数年の使用で劣化することが多いです。
特に、直射日光に長時間さらされる場所や、頻繁に歩行する場所に設置した場合、耐用年数が短くなることがあります。
こちらは100均の防草シートを設置してから2年弱の画像ですが、すでにシートが劣化して雑草が生えてきています。使用方法にもよりますが、直射日光にさらされる屋外の使用では長期間の使用は難しそうです。
耐用年数を長くするには、むき出しや日光ざらしを避ける
日光、紫外線は防草シートを劣化させる
防草シートを使用する際に少しでも耐用年数を延ばすためには、設置場所や使用方法に工夫が必要です。特に、シートをむき出しのまま日光にさらすと、紫外線の影響で劣化が早まります。
シートの上に砂利やウッドチップを敷いて日光を遮ることで、紫外線による劣化を防ぎ、耐用年数を延ばすことができます。
Uピンやペグで端をしっかりと固定する
また、シートをしっかりと固定しておくことも重要です。
シートの端をしっかりと地面に固定し、風でめくれ上がるのを防ぐことで、耐久性を向上させることができます。
100均でシートを固定するためのU字ピンやペグも販売されているので、これらを活用してしっかりと固定しておきましょう。
シロアリが発生するって本当?対策は?
土壌用のシロアリ忌避剤が有効
防草シートを使用する際に心配されるのが、シロアリや害虫の発生です。「防草シートを敷くとシロアリが増える」と言われることがありますが、実際には防草シート自体がシロアリの発生を直接的に引き起こすわけではありません。
防草シートの下にはシロアリの餌となる木がないため、排水が良く水の貯まりにくい乾燥した環境であればシロアリが住み着くことはあまり多くはありません。
しかしシロアリは湿った環境を好むため、防草シートの下に湿気が溜まると、下地の状態によってはシロアリが巣を作りやすい環境になる可能性があります。特に、木製のマルチやウッドチップをシートの上に敷いた場合、これがシロアリの餌となることがあります。そのため、防草シートを使用する際は上に敷くカバー材の材質に注意したり、湿気がこもらないように適切な排水対策を行うことが重要です。
また、シロアリが発生した際には速やかに対策を行いましょう。放置すると気づかないうちに建物に被害が及び、取り返しの付かない事態になる可能性もあります。殺虫剤等で発生しているシロアリを駆除し、同時に再発対策も行いましょう。
また、土壌用のシロアリ忌避剤を使用するのも非常に有効です。一度シロアリが発生すると建物に致命的な被害を与えることもありますから、防草シートを設置する前にしっかり予防しておいた方がよいでしょう。シートの下に害虫が発生すると発見が遅れることが多いですから、被害が大きくなる前に対策を行っておきたいですね。
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アリの巣やゲジゲジが増える?
また、防草シートの下にアリやゲジゲジが巣を作ることがあります。これは防草シートの下が暗く風が通りにくい環境になるため、これらの生物が好む状態となるからです。雑草対策そのものには大きな問題を引き起こすわけではありませんが、害虫が気になる場合はシートの下に薬剤等で防虫対策をしておくなどの工夫が必要です。
カットしたらシートがほつれた!ほつれ止めに有効な方法は
防草シートをカットして使用する際に、「シートがほつれてしまう」という問題がよくあります。特にポリエチレンやポリプロピレン素材のシートはカットした部分がほつれやすく、長期間使用するとほつれが広がってしまうことがあります。
ほつれを防ぐためにはいくつかの方法がありますが、カットする際にはハサミではなく熱で切断できる「ホットカッター」を使用するのが効果的です。ホットカッターを使うとカット面が熱で溶けて固まり、ほつれを防ぐことができます。ただし、使用しているシートが熱処理して問題ない材質であることを確認してから行いましょう。
もしホットカッターが手元にない場合は、カットした後に端をテープで補強する方法もあります。補強用の専用テープが販売されていますが、ガムテープやビニールテープでもある程度の効果は期待できます。カットした部分をしっかりと補強することで、ほつれを防ぐことができますよ。
防草シートを敷く際の注意点、おすすめの固定ピン
防草シートは雑草対策に非常に有効ですが、設置時に注意すべきポイントがいくつかあります。特に100均や薄手の防草シートは、使い方や設置方法によって耐久性が大きく変わります。防草シートを敷く際に気をつけるべき注意点や、より効果的な活用法について詳しく解説します。
1. 地面の整備をしっかり行う
防草シートを敷く前には、地面の整備が重要です。土が凹凸だらけのままだったり石や異物が転がっていると、防草シートがしっかり設置できなかったり破れやすくなり、隙間から雑草が生える原因にもなります。設置の際にはまず地面を平らにならし、可能であれば大きな石やなどを取り除いてからシートを敷きましょう。
また、設置する場所に雑草が既に生えている場合は、あらかじめ除草しておくことが大切です。防草シートは雑草の成長を抑える効果がありますが、既に成長した強力な雑草があると突き破って成長してしまうこともあります。特に、薄手のシートの場合には注意が必要です。先に除草剤を使用したり、手作業でしっかりと除草を行っておくことをおすすめします。
2. シートの重ね張りを意識する
防草シートを敷くとき、広い面積に複数枚のシートを敷く場合は、シート同士を少し重ねて設置することが重要です。重なり無しで敷き詰めるようにぴったりと設置してしまうと、隙間から雑草が成長してしまいシートを劣化させる原因にもなります。
10cm〜15cmほど重ねて敷くように意識し、シートの隙間から雑草が生えてこないよう工夫しましょう。
また、薄手のシートは十分な遮光性を持たないこともあるため、必要に応じて重ね張りをすることで耐久性や遮光性を向上させることができます。使用している防草シートで十分な効果が出ない場合には試してみる価値がありますよ。
3. 適切な固定ピンを使用する。おすすめのピンも紹介!
防草シートをしっかり固定するためには、専用の固定ピンを使用するのがおすすめ。100均でもシートを固定するためのU字ピンやペグが販売されていますが、シートの厚みや設置する地面の状態によっては、より強力なピンを使用する方が良い場合もあります。
特に、風が強い地域や斜面にシートを敷く場合は、固定が甘いとシートがめくれてずれてしまうことがあります。固定ピンは約50cm~1m間隔で打ち込み、しっかりと地面に固定しましょう。強風でシートが剥がれたり、めくれてシートが劣化するのを防ぐことができます。
硬い地面でピンが刺さらなかったり、強風ですぐにめくれてしまう時にはこちらのピンがおすすめ。
非常に頑丈なピンですので、固い地面でも折れずにしっかりと固定することができます!ゴムハンマーがあるとピンの打ち込みがさらにはかどりますよ!
防草シートの上に敷くマルチ素材の選び方
防草シートを敷いた後、その上にさらに敷き物でカバーしておくことで、雑草の予防効果や耐久性のアップを図ることができます。シート単体だと美観を損ねてしまう場合にも、好みの素材でカバーすることでおしゃれに雑草対策を行うことができます。防草シートの上に敷くことでさらに効果を発揮するマルチ素材についてご紹介します。
1. 砂利
防草シートの上に敷く素材として最も一般的なのが砂利です。砂利を敷くことでシートが直射日光にさらされることを防ぎ、紫外線による劣化を抑えることができます。
また、砂利は排水性が良いためシートの下に水が溜まりにくく、シロアリなどの害虫の発生リスクを低減する効果も期待できます。
さまざまな色や形の砂利があるため、自分の庭に合ったデザインを選ぶことで景観を整えたい場合にもおすすめです。
2. ウッドチップ
ウッドチップも防草シートの上に敷く素材として人気があります。特に、ナチュラルで温かみのある見た目が好きな方にはぴったりです。
ただし、前述の通りウッドチップはシロアリの餌になる可能性があるため、使用する場所や環境に注意が必要です。特に湿気がこもりやすい場所では、防虫対策や定期的な点検を行うように注意しましょう。
3. 人工芝
カバー材の代わりに人工芝を敷く方法もあります。見た目もよく、メンテナンスがほとんど必要ないため手軽に利用できるメリットもあります。芝に近い緑の庭を希望する場合や、子供やペットが遊ぶスペースとして利用する場合は検討してみてください。
防草シートと他の対策アイテムの組み合わせ
防草シートは単独でも高い雑草予防効果を発揮しますが、他のアイテムと組み合わせることでさらに効果的に雑草対策を行うことができます。防草シートと相性の良い雑草対策アイテムについて紹介します。
1. 除草剤
防草シートを敷く前に除草剤を使用することで、すでに生えてしまっている雑草を効率的に取り除くことができます。特に、広い面積に雑草が生えている場合は、除草剤を散布してからシートを敷くことでより効果的に雑草の発生を抑えることができます。
除草剤には大きく分けて接触型と根まで枯らすタイプがあります。長期的な雑草対策を意識する場合は、根までしっかり枯らすタイプの除草剤を選ぶとより効果的です。
2. 防虫グッズ
防草シートを敷く場所に防虫剤を併用することで、シロアリやその他の害虫の発生を抑えることができます。特に湿気のこもりやすい場所や、もともと害虫が多数いる場所に防草シートを設置する場合は併用を検討しましょう。
野菜や果物を栽培している家庭菜園の近くでは使用できないこともありますので、使用する商品の注意点をしっかり確認して上で使用するようにしましょう。
おすすめの防草シート
最後におすすめの防草シートについてご紹介します。100均の防草シートは手軽で使いやすい反面、サイズが小さすぎて広範囲の雑草対策には使用しにくいのが難点です。さらに耐久性にやや難があるため、長期間の使用を考える場合には、少し高価なシートを選ぶことを検討してみてください。
ホームセンターで販売されている高品質な防草シートは、UVカット加工が施されていたり、防虫効果がついていたりとさまざまな機能を備えています。耐用年数も比較的長いことが多く広範囲の雑草対策に適しており、長期的なコストパフォーマンスも優れています。しかし面積あたりの価格で比較するとコストが高いため、サイズが大きくなるほど値段もあがり、導入しづらいのが難点です。
つまり、防草シートを選ぶ際のポイントとしては
- UVカットなど耐久性を考慮されており、ある程度耐用年数が長い
- ある程度サイズが大きく、必要な広さをすべてカバーできる
- 面積あたりの価格がリーズナブルで、コストパフォーマンスが良い
という点が重要になります。
私がおすすめする防草シートはこちらです。
- 高密度かつ抗菌剤入り、UV剤入りで耐用年数4-6年
- 2×100mまでの幅広いサイズに対応
- ㎡あたり120円ほどで高品質防草シートとしてはリーズナブル(2×50mサイズ)
実際に屋外の雑草対策として使用していますが、3年以上経過しても問題なく使用できています!
砂利やウッドチップなどと併用すればさらに効果的に対策ができますよ。高品質でリーズナブルな防草シートを探している方は、ぜひ試してみてください。
結論:100均の防草シートは適材適所で使い分けよう
- 100均で手に入る防草シートは、狭い範囲の雑草対策には十分な効果を発揮する
- 広い面積や長期間の使用を考えている場合には、より耐久性の高いシートを選ぶ方が安心
- シートの上に砂利やウッドチップを敷いたり、固定ピンでしっかりと固定するなど、少しの工夫で効果を最大限に引き出し耐久性も向上する。
- 防草シートがシロアリ発生の直接の原因になることはないが、餌となる木材があったり、湿気のこもる環境の場合は対策した方が安心。
- その他の害虫の発生に関しても、適切な対策を講じることで防ぐことが可能。
- 設置の際には地面を平らに整え、湿気がこもらないように排水を整備することや、周囲に木材などを置かないこと、シートの上に素材を敷いて紫外線による劣化を防ぐことがポイント。
使う場所や目的に合わせて100均の防草シートをうまく活用し、快適なガーデニングライフを楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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